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「ザ・ロード」 [★★★☆]


ザ・ロード [Blu-ray]

ザ・ロード [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray

原題: THE ROAD
監督: ジョン・ヒルコート
脚本: ジョー・ベンホール
原作: コーマック・マッカーシー(「ザ・ロード」)
出演: ヴィゴ・モーテンセン/コディ・スミット=マクフィー/ロバート・デュバル/ガイ・ピアース/シャーリーズ・セロン
2009年/アメリカ映画

★★★☆

<感想>
原作はピュリッツァー賞受賞らしいSF作品。
ただひたすらに暗い映画なんだけど、不思議と目が離せなかった...。

原因は分からないけど、かなり荒れ果てた世界が舞台。
母親は生きていくことに希望が持てず出て行くことになり(自殺するのかな?)、残された父と息子は人を食べる人々の影から逃げ続け、飢えと戦いながら南へとただ移動を続けるの。

グレーのフィルターがかかったような映像で映される荒廃した世界がすごくリアル。
そういった美術的なところだけじゃなく、役者たちの餓死寸前の体やボロボロになった服などもすごくリアルで...。
温暖化やら原子力やらで崩壊しつつある世界は、本当に将来こうなるんじゃないか?と思わせるような映像だった。

父親が息子を守るためにする行動は、人を殺すことだったり、出会った泥棒の身ぐるみを逆にはがすことだったりと、劇中に何回も出てくる''善き者''とは遠い気もするけれど、親だったらこうしてしまうかもと理解はできた。
今の世の中だって、私も子どもたちのことを考えると人を疑って、妙に攻撃的な考え方をしてしまうところがあるもの。

そんなパパに守られている息子の演技が、透明感があってすごく良かったな。
「パパ」って言うセリフだけでも、そのトーンから彼の純粋さが伝わってくるような...とても素敵な声で、この映画にぴったりな気がした。
その純粋さがあったから、最後父が死んでしまった時に救いが現われたのかもしれないな...。

人は何で生きるんだろう?って考えさせられる映画。
この問題に答えが出ることはないと思うけど、昔こんなことをよく考えてたよなーとは思い出させてくれた。

こんなに楽しみも何もない世界、ただ苦しいだけの世界なのに、ただひたすらに歩いて生きようとしている。
私だったらおそらく回想シーンで現われたシャーリーズ・セロン(母親役)のように、「生きていたくない」と死を選ぶと思う。

でも子どもがいるんだよね...。
それと、自分が子どもの時は全く気づかないし、気づかないでいいことだと思うけど、親が子供にしてあげられる最大最高のことは、親が元気で生きてるってことかも...なんて、ラストは思っちゃった。

久々ヴィゴ・モーテンセン見たさに録画しておいた映画だけど、意外と重くて、意外と良かったです。
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