「ハンナ」 [★★★]
原題: HANNA
監督: ジョー・ライト
脚本: セス・ロクヘッド/デヴィッド・ファー
原案: セス・ロクヘッド
出演: シアーシャ・ローナン/エリック・バナ/ケイト・ブランシェット/ジェイソン・フィレミング
2011年/アメリカ映画
★★★
<感想>
幼い頃から人里離れた森で、暗殺者として育てられたハンナ。
町に出て宿敵を殺すことを決意した後、ずっと敵に追われながらも、文明や同世代の子と出会い、いろんな経験をして行く様子が描かれていくんだけど...。
そのハンナ役に、シアーシャ・ローナンの持つ不思議な透明感は、本当にぴったりだったと思った。
でも良かったのはそれだけかなあ。
自分や死んだ母親をそんな目に合わせたマリッサは、ただ残酷なだけで魅力のかけらもないし(CIAの人なのに頭がいいって気がしない)、父親(エリック・バナ)とのエピソードも含め、ハンナが何でこんなことになっているのか、いまいちよく分からないし。
いや、分かるんだけど、そんな単純なこと?って感じが、どうにも腑に落ちないと言うか。
それに期待しているようなアクションシーンが全然ないの。
ハンナは胎児の時にDNA操作され、いわば暗殺者になるために産まれてきた子なのに、圧倒的な能力とか、敵をバタバタと倒すっていう部分がほとんどなくて。
これでもかってほどのカーチェイスや爆発を見せる映画には確かに辟易してるけど、これは期待を裏切り過ぎ。
最初の雪に閉ざされた森の風景、その後のモロッコやスペインのエキゾチックな映像、父親との待ち合わせ場所であるドイツのグリムの家と呼んでいる家や庭...。
ロケ地はいいし、ざらついた色合いの映像もいいし、音楽もいい(ケミカル・ブラザース)んだけど、肝心のストーリーがねえ...。
ハンナの個性をもっと語ってほしかったのに、全てがイメージ映像みたいなまま終わってしまったような感じだった。
シアーシャ・ローナンを知るきっかけとなった「ラブリーボーン」もいまいちだったし、今回もいまいちの映画だったけど、何だかとっても気になる女優さんなので(18歳)次回はぜひいい作品に出てほしいな。
彼女のことはまた見たい。
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