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「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 [★★★★★]


ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray

原題: LIFE OF PI
監督: アン・リー
脚本: デヴィッド・マギー/ディーン・ジョーガリス
原作: ヤン・マーテル(「パイの物語」)
出演: スラージ・シャルマ/イルファン・カーン/レイフ・スポール/ジェラール・ドパルデュー
2012年/アメリカ映画 [アドベンチャー/ドラマ/ファンタジー]
2012年アカデミー賞: 監督賞(アン・リー)/撮影賞(クラウディオ・ミランダ)/作曲賞(マイケル・ダナ)/視覚効果賞(作品賞ノミネート)など

★★★★★

<感想>
映画を見ながら、とにかく「私はアン・リーが好きだなー」って思ってた気がする。
思っていたより3D映像に頼った作品じゃなく、アン・リー独特の美しい映像&世界観で、タフな奇跡の物語を紡いでいるような感じが私には良かった。

宣伝だと最初から最後まで漂流してるみたいに感じてたけど、トラと漂流することになるまでの過程がこども時代から描かれてるの。
自分の名前の由来、泳ぎが得意なこと...、それに父の教えや母の愛も短い時間の中でしっかり伝わって来てるから、船と共に家族が沈んでしまっているシーンではしっかり泣けてきちゃうくらい。

その他ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教との出会いも描かれているので、中年になったパイがこの物語を「神の物語でもある」と言っていたのもうなずけたし、感動したセリフでもあった。

冒頭に書いたけど、リチャード・パーカーという名のトラとの友情物語のような、''ファンタジー''に偏っていかなかったのは良かったと思う。
長い漂流生活の中で、リチャードがいたから過酷な漂流生活を生き延びられたと語り、彼に水や魚を与える優しさを感じたし、その気持ちや行動にも宗教観を感じ取れた。
弱っているリチャードに触れたシーンでも涙が出たし、最後の別れ際、リチャード・パーカーが自分の方を振り返らずジャングルに消えたことに泣いたパイを見て、もらい泣きしてしまった。

その後保険の調査員に事の顛末を語った時に、この話を信じてもらえないので''本当は...''ということで語られた話。
シマウマは船員、オランウータンは自分の母親、ハイエナがコック、そしてトラは自分の悪い心に置き換えて話してた。

映画は元々彼を訪ねてきたカナダ人小説家に話す...という形で語られるんだけど、どっちが本当なのか?とパイは彼に聞くの。
それは同時に私たち観客にも聞いているわけで、すごく奥が深い映画だったんだよね。
このオチ(みたいなもの)に驚いた。
すごい良かった。

映画館になかなか行けない私は、相変わらず3Dが見慣れない。
だから最初は焦点をどこに合わせたらいいかがとにかく気になってしまっていたんだけど、気がつくと引き込まれていて違和感を感じず楽しめたと思う。
映像に頼ってはいないなって感想は持ったけど、夜光虫らしき大群とくじらのシーンや、謎の食肉島のシーンは3Dの醍醐味を味わえる。
本当に美しく、かつリアルだと思えた。
他にも水の中で船が沈んでいることを発見したところや、朝焼けのシーンなどなど、何回か鳥肌が立ったし、トラが船に潜んでて出てくるシーンや飛び魚の大群のところでは思わず体がびくっ!ってなってしまった(笑)。

アン・リーの映画は5本目だと思うんだけど、全部好きと思える映画なんだよね。
特に「いつか晴れた日に」と「ブロークバック・マウンテン」はかなり好きだし。
見た映画のどれも、風景が映し出されてる時の光の感じがすごく好きだし、共通点があるような気がした。
それがアン・リーの世界...なのかな。
彼の映画を全制覇したくなりました。

[20130306-1]ライフ・オブ・パイ_トラと漂流した227日.jpg
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